地底へのいざない 切羽F洞 スカラップ 日本最大の単一シールド あぶくま洞 東本洞 大多鬼丸ホール

日本洞穴探検協会の探検活動とその目的

地底世界の未知を追求し人類共通の知識とすることを目的として探検活動を展開する。
何故なら地底には未知なる事象が存在しこれを解明し報告することは地球にとって意義あることと考えるからである。
地球上に探検を要する地底ある限り行動は「探検」が必然であり、当会は未知解明に必要な知識技術の研鑽に努め後世に伝える。

日本洞穴探検協会の概要

NPO法人日本洞穴探検協会は1973年3月、安家石灰洞穴群の未知を解明するために設立された組織『The Akka Society』が母体です。その後、行動が海外へ広がり名称を『Japan Cavers Club』へ更に『Japan Cavers Club II=JCCII』を経て、現在の名称になった。

1992年から岩手県岩泉町に開口する日本で一番長い石灰洞、安家洞(あっかどう)の探検と測量を実施、2003年平面図縦断面図が完成した。 この図面を産業技術総合研究所丸井敦尚研究室で2年余を費やし、デジタル化を進め、2006年5月、日本地下水学会春季講演会で発表した。
さらに探検は続き、2009年第31次安家洞探検の結果、安家洞の総延長は24,600mとなった。
また、同じ岩泉町の氷渡洞(しがわたりどう)でも新発見が相次ぎ、新洞の鍾乳石群は国内屈指の鍾乳石群であることが判明した。

2014年埼玉県奥秩父鍾乳洞で全国初となる大型クマの全身骨格と狼の前歯が発見され、併せてムーンミルクの微生物分析に協力、結果は2018年埼玉県立自然の博物館館報で公表した。 2017年からは水に溶けないチャート(角岩)と珪岩に何故空間が形成されるかをテーマにチャート洞穴の調査に着手し、埼玉県横瀬町に開口する獅子の穴と両神山の洞穴が国内最古、国内最長のチャート洞穴であることを明らかにした。 2018年あぶくま洞では地質調査を実施しあぶくま洞の地底空間形成メカニズムの一端を明らかにした。 2019年視覚障害者Y・O氏とコラボし秩父と福島県あぶくま洞で世界初のブラインドケイブ実施し洞穴の新しい分野を切り開いた。

日本洞穴探検協会の洞穴ポリシー

「Cave Softly」を合言葉に洞穴内には足跡以外は何も残さない。

日本洞穴探検協会活動の理念

設立理念たる「未知なる地底に挑戦し人類共通の知識とする。」を具現化するため、全ての行動は探検であり、探検を実施するために必要な行動の一環とする。探検は「公」 であり、一般に公開するか否かを問わずして報告書を作成する。

あぶくま洞 洞穴探検メンバー養成プログラム(概要)

洞穴講習会の参加者を募集しています。
当会の洞穴講習で洞穴の基礎的な知識と探検技術を習得することが出来ます。
講習を受講した方は会員として入会できます。

初級編

この洞穴講習初級編は横穴限定のプログラムです。

初級編 実技講習内容

  1. 洞穴内での通常歩行
  2. 道標の設置と回収
  3. 匍匐前進
  4. 照明器具を最低2種類用意(例:ヘッドランプ、懐中電灯)
  5. 洞穴内の狭洞部分で荷物リレーを実践

初級編 学科内容(洞穴探検の基礎知識)講習時間40分

I. 洞穴探検の基礎知識
洞穴学(スぺレオロジー Speleology)、洞穴を歩いて帰るだけの人(ツーリスト)、洞穴探検の精神、洞穴の保護、暗闇と向き合うこと、暗闇詐欺に注意、個人的な極限、洞穴探検の方法、洞内での歩行、洞内で迷った場合
II. 洞穴概論
洞穴と洞窟、洞穴とは何か、縦穴と横穴、洞穴の気温、空気、地震と洞穴、財宝と洞穴、洞穴の数え方、洞穴の種類
III. ブラインドケイブ
皆さんから質問されること、自然洞穴でブラインドケイブを体験する意味、視覚障害者を見かけたら、視覚障害者の事故、盲導犬差別、盲導犬同伴、視覚障害者の9割が嫌な思い
IV. 個人装備
V. 洞穴関連の文献

中級編 実技技能及び学科要綱(概要)

中級編 実技要件

  1. 個人装備を3分以内に装着できる。
  2. ヘッドランプ、電燈の電池交換ができる。
  3. パッキングができる。
  4. 道標の設置と回収ができる。
  5. 洞穴調査票を作成できる。
  6. ワイヤ梯子10mを自力で1往復できる。数値目標としては、40mのワイヤ梯子の登攀、降下とも5分以内でできる。
  7. ワイヤ梯子の設置ができる。
  8. 昇降する人の安全確保(ジッヘル)ができる。
  9. 測量(平面、縦断面、横断面)ができる。
  10. 計画書の作成ができる。
  11. 報告書の編集ができる。
  12. 応急処置ができる。

中級編 理論学習要件 学科内容 講習時間7時間(休憩1時間)

I. 探検概論
II. さぁ洞穴へ行こう
III. 洞穴を科学する
IV. 洞穴を検する(しらべる)
V. 世界最先端の探検
※上記の内容を学んだあと筆記試験を行います。
洞穴講習会に関するお問い合わせ(日本洞穴探検協会):



※上記メールアドレスをクリックするとお使いのメールソフトが起動します。

あぶくま洞 ブラインドケイブその目的

日本洞穴探検協会 顧問 横田良介

近年、視覚障害ゆえの駅のホームでの転落事故がありました。視覚障害者は手摺りや点字ブロックを頼りに歩行するのに手摺りが途中で途切れてその先を探すのに苦労し、点字ブロックがすり減っているため、とっさの判断に困ることがあるそうです。また歩道の点字ブロック上に置かれた障害物の為に起きた事故等々、耳を塞ぎたくなる痛ましい報道をしばしば耳にします。

片や全盲のセーラーがヨットで太平洋横断にチャレンジしています。H・I氏は35歳でヨットと出合い自然と一体化する喜びを知ったそうです。また視覚害者で医師免許を取得されたM・M氏は趣味が鉄道の旅だそうです。

私たち晴眼者は視覚障害のある人に対する誤った先入観を抱きがちです。それは視覚障害者では「できないだろう」という思い込みです。この思い込みが障害者の様々な可能性に蓋をしているかもしれません。

此のたび、視覚に障害のあるY・A氏と共に洞穴を体験することで私が知り得たことがあります。氏は靴を通して足の裏から情報を得て、音や湿度・温度・風・臭い等空気からの情報取得に敏感だったことです。視覚に障害のある人が洞穴に入ったら、屹度新たな世界が開けるに違いありません。そのお手伝いができることは我々の喜びでもあります。視覚障害者を入洞案内している他の洞穴関連団体を寡聞にして知りません。我々のこの行動が視覚障害者と晴眼者の溝を少しでも埋めることに役立つことを願うと共に多くの視覚障害者の入洞体験を望むものです。

※事務局からのお知らせ
このプログラムは埼玉県議会議員岩崎宏氏、視覚障害者Y・A氏、田村市、一般財団法人田村市滝根観光振興公社のご協力で実現したものです。皆様のご理解とご協力をお願いするとともにブラインドケイブ体験へのご参加をお待ちいたします。
これまで参加した皆様の感想を参考にしていただければ幸いです。

ブラインドケイブ参加者4名の感想

参加者1: E・Aさん
講演「暗闇が伝えるもの」A氏の講演を聞いて、障害者への差別はあることを再認識した。A氏から語られた内容は、まさに「障害者であるというだけで」というような偏見ばかりの差別で、それを実際に経験した人が目の前にいることで、差別は現実にあるのだと痛感した。これまで、そういう人たちにあまり目を向けておらず、日常では特に気にしていなかったが、もしかしたら自分も知らず知らずのうちに、差別ととられるようなことをしていたのかもしれない。助けを求めていたことに気づけていなかったかもしれない。そう感じた講演であった。視覚障害者に限ったことではないが、これからは、周りにそういった人がいたら手助けできるよう心掛けたい。
参加者2: S・Hさん
「暗闇が伝えるもの」A氏のお話を聴いて、自分が視覚に頼って生きていると実感させられた。自分にとって、見たものが全てであり、物事の本質や人間性を考えずに判断する人になってしまっていた。自分がそのような人間であることがとても残念に感じ、申し訳ない気持ちになった。A氏は視覚を失ったことで最初は絶望したとおっしゃっていたが、現在は視覚以外の五感で人間の本質を見ていると感じ、自分がA氏に暗闇体験のお話をした際には、自分の本質や弱さが見破られているような気がした。でも、久しぶりに人と人とが真剣に向き合っているとも感じた。これからは視覚に頼りすぎず他の感覚を研ぎ澄まして物事の本質を見たり考えたりしたいと思う。また、視覚障害のある人を見つけたら、勇気を出して話しかけ、力になりたい。
参加者3: K・Mさん
今回は、A氏にお越しいただきお話を聞くことが出来ました。A氏自身の体験談が多かったので、とても心に迫る講習でした。まず、A氏の経歴です。元々見えていたものが見えなくなる恐怖は洞穴に入る我々には想像に難くありません。我々の場合、洞内ではライトを付ければ再び見えるようになるものの視覚障害者の方々はほとんどの場合長い間暗闇の中で生きることになるのですから、その苦労は計り知れません。さらに、A氏が視力を失った時の日本は今と比べて障害者への理解が進んでおらず、盲導犬を連れて店に入るのにも一苦労だったということに驚きを感じるとともに、障害を持つ人と持たない人との壁は他ならぬ障害への無理解によって生まれていたのだと思いました。しかし、だからといって今でも理解すべきことがもう残っていないわけではないと話を聞いていく中で感じました。
例えば、視覚障害者は歩くときに白杖だけでなく足の裏の触感や嗅覚等によって「ここはいつものパン屋の前だな」などの情報を得て歩いていることです。この例から言えば私たちは点字ブロックといった触覚だけでなく、嗅覚の面でも情報を与えることができるのではないかと思いました。
最後に、視覚障害者の方がいたらどうすればよいかというお話を聞きました。A氏の答えは「声をかけてあげてほしい」とのことでした。この講習を通して視覚障害者には様々な苦労があることがわかったので、その負担を軽減するためにもこの講習で学んだことを伝え、活かしていきたいです。
7月13日視覚障害者の方二名とあぶくま洞に入洞しました。このことは日常生活における見方をも変えることになりました。実のところ、僕はこれまでに視覚障害者の方と接したことがなく、そのような方々が普段どのように暮らしているのか、また僕はどのように接するべきかを知りませんでした。この疑問に対する答えはこの入洞とA氏の講演によって得ることができました。そして、「視覚障害者の方々が普段どのように暮らしているのか」ということは入洞してから実際にその様子を垣間見ることができました。僕の中で、白杖は足元の様子を探るのに使う物といった固定観念がありましたが、B氏は白杖を使って頭と天井までの距離を計っておられ、視覚障害者にとっての白杖の存在の大きさを実感しました。この入洞は手すりの重要さや等間隔でない階段は意外と危ないことなどのバリアフリー的観点を大きく培えたと思います。
参加者4: A・Tさん
初めて盲目の方の話を聞いた。もともと見えていたものが見えなくなっていく恐怖や不安、もしも自分だったらと想像すると涙が出そうになった。また、普段自分がどれだけ目から入ってくる情報に頼っているのかを思い知らされた。香りや感触、音、味もわからずに携帯の写真を見ただけで知ったような気になっていたのは間違っていたのだと思った。これからは視覚だけにとらわれずに生活し、少しでも視覚障害の方の力になれる事を探していきたいと思う。
「視覚障害者の方と初めての入洞」
私はB氏を観光洞に案内させていただいた。視覚障害の方を先導するのは初めてだったのでどんな事をどんな言葉で伝えたらいいのかが分からなかった。また階段が多く道が複雑で、足元だけではなく頭上にも注意をしなければいけなかったので説明がとても難しかった。しかし、やっていくうちに「このタイミングでこう言えば伝わるのだな」などと分かり、B氏も私の伝えようとしている事を理解してくださりスムーズに進むことができた。1つ言葉やタイミングを間違えば大怪我にも繋がりかねない中で、お互いを信用することがとても大事だと学んだ。短い時間ではあったが日常生活では決して学ぶことができない密度ある経験をさせていただいた。
ブラインドケイブに関するお問い合わせ(日本洞穴探検協会):



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